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読書の極意と掟 (講談社文庫)

読書の極意と掟 (講談社文庫)

筒井康隆

講談社 / 2018-07-13

累計読者数3
平均ハイライト数 10.7件/人
推定読了時間 約3時間
star総合評価 47/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 27%

この本について

最近、本を読んでいて「面白いんだけど、どこを味わえばいいのか分からない」「何を基準に“良さ”を感じ取ればいいのか迷う」という相談をよく受けます。ジャンルも作風も違う本を前にすると、自分の読み方が正しいのか不安になる気持ち、すごく分かります。僕自身、長く読んできたつもりでも、いまだに迷子みたいになる瞬間があります。 そんなときに思い出すのが、筒井康隆さんの『読書の極意と掟』でした。抜粋を読むと分かる通り、この本は「正しい読み方」を教えてくれる類のものではありません。むしろ、筒井さん自身が影響を受けた作品、勝手に思い込んでいた読み方、幼少期の記憶、作家としてのコンプレックスや勘違いまで、全部まとめて“読書人生そのもの”を差し出してくれているような一冊です。そのぶん、読み手のほうに自由度が残されていて、自分の迷いをそのまま持ち込めます。 特に刺さったのは三つあって、ひとつは「非現実的な話ほどリアルな描写が必要」という気づき。作品世界にのめり込めない時、何が足りてないのか判断する目安になります。もうひとつは、星新一の影響で“ショートショートには必ずオチがあるものだ”と信じ込んでいたと正直に語る部分。読者も似た思い込みを持っていることが多く、読みづらさの正体が「自分の中のルール」だったと気づかされます。そして最後に、没落した家に育った経験とマン『ブッデンブロオク一家』を重ねるくだり。読書って結局、人生と地続きの体験なんだとあらためて思わされます。 作法よりも「自分の読書をどう育てるか」を考えたい人に向いています。僕と同じように、本と付き合う軸を探している人には、静かに効いてくる一冊だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

作家・筒井康隆、誕生の秘密。戦時中にひとり疎開した幼少期、演劇部で活躍した中高時代、不本意な営業に配属された新入社員時代、いつも傍らには本があった。いずれ小説を書くとは夢にも思わず、役者になりたかった青年を大作家にしたのは“読書”だった。小説界の巨人が惜しげもなく開陳した自伝的読書遍歴。『漂流 本から本へ』を改題。
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