
事実はなぜ人の意見を変えられないのか
ターリ・シャーロット and 上原直子
この本について
最近、人と話していて「なんでこんなに噛み合わないんだろう」とか、ネットの意見を見ているだけで気持ちがざわつくことが増えました。相手が頑固なのか、自分が間違ってるのか、それともそもそも“変わらない仕組み”があるのか。そんなモヤモヤを抱えたまま日常を続けていました。 この本を読んで驚いたのは、意見が変わらないのは性格の問題というより、脳の仕組みによる部分がかなり大きいと知ったことです。たとえば、人は自分の信念に反する情報だけを無意識に「信用できない」と判断しやすいことや、多数意見に流されるのは本心が動いたからなのか、周りに合わせた方が楽だからなのか、脳を見ると区別できるという話が出てきます。また、恐怖を使った警告がほとんど行動変容につながらない理由や、相手の“心の状態”を読み違えるとどれだけ論理を積んでも届かない構造など、日々の人間関係で思い当たることばかりでした。 読んでいて一番効いたのは、「人は他人に影響されるけれど、自分もまた相手を変えている側にいる」という視点です。たった一つの異なる意見が、場の流れを変えることだってある。だから、意見を伝えるときのアプローチを少し変えるだけで、コミュニケーションの疲れ方がまったく違ってきます。 人と話すときに消耗しがちな人や、「なぜ分かり合えないのか」に長らく悩んでいる人には、特に刺さる本だと思います。自分の中の納得感がじわっと増える一冊でした。
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