
「現金給付」の経済学 反緊縮で日本はよみがえる (NHK出版新書)
井上 智洋
この本について
最近、「景気の話って結局どうなってるの?」とか「働き方の不安って、自分だけの問題なのか分からない」と感じることが多いんじゃないでしょうか。物価は上がるのに給料は伸びないし、やりたい仕事より“食える仕事”を優先せざるを得ない場面も増えてきて、どこに視点を置けばいいか揺れますよね。僕自身、このモヤモヤが頭のどこかにずっと残っていました。 井上智洋さんの『「現金給付」の経済学』を読んで感じたのは、そういう日常レベルの不安を「構造として説明してくれる」安心感でした。たとえば、雇用が真ん中だけ減っていく理由や、生活保護が必要な人に届かない仕組み上の問題など、自分の努力ではどうにもならない部分を丁寧に見える化してくれます。そのうえで、反緊縮やベーシックインカムを、理想論ではなく「社会の穴をどう埋めるか」という現実的な位置づけで語っているところが腑に落ちました。お金をばらまけばいいという話ではなく、インフレ率を踏まえた設計や、既存の社会保障をどこまで残すかという地に足のついた議論が続いていきます。 未来の労働観について書かれている部分も印象的で、AIや自動化の影響を悲観だけで語らず、働き方そのものが変わる前提で考え直す視点がありました。今の不安を無理に「頑張れば解決できる」と言わず、構造的にどう向き合うかを提示してくれるので、気持ちが少し軽くなります。 制度の話を知りたいというより、「自分の生活の不安がどこから来ているのか整理したい人」に特に刺さる本だと思います。
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多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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