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灯台へ(新潮文庫)

灯台へ(新潮文庫)

ヴァージニア・ウルフ and 鴻巣友季子

新潮社 / 2024-09-30

累計読者数7
平均ハイライト数 13.9件/人
推定読了時間 約4時間6分
star総合評価 45/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 10%

この本について

人と関わるたびに、相手の機嫌に振り回されたり、自分の行動の裏にある「本音」が読めなくなったりすることってありませんか。誰かを助けたいと思いながら、その気持ちが虚栄なのか慈愛なのか判然としない瞬間もあるし、家族に向ける感情だって、尊敬と苛立ちが同居してしまうことがある。日常って、そういう細かな揺れの積み重ねでできているように思います。 『灯台へ』の抜粋を見ていると、読者が刺さった場所はまさにその「揺れ」でした。自分の善意がどこまで本物なのか疑う場面、家族への愛情が急に遠のく瞬間、子どもの心がこちらの一言で決定的に傾いてしまう怖さ。ウルフはそれを大げさにせず、ほんの数秒の心の動きをそのまま置いていく。読んでいる側は、そこに自分の日常の影を見つけてしまうのだと思います。人間同士の違いに気づいて落ち込むときでも、「充分じゃないの。本当に充分ですよ」という一文が、余計な気負いをほどくように働いてくれたりします。 この本は問題を解決してくれるというより、モヤモヤがどう生まれ、どう流れていくのかをそっと見せてくれます。相手も、そして自分も、こんなふうに脈絡なく揺れているのだと思えるだけで、関係の扱い方が少し変わる。人を助けたい気持ちも、誰かに苛立つ気持ちも、どこかで同じ根を持っているのかもしれないと落ち着いて受け止められるようになる。そんな読み心地の作品です。 とくに、人間関係の「理由のない波」に疲れやすい人に刺さると思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

「いいですとも。あした、晴れるようならね」スコットランドの小島の別荘で、哲学者ラムジー氏の妻は末息子に約束した。少年はあの夢の塔に行けると胸を躍らせる。そして十年の時が過ぎ、第一次大戦を経て一家は母と子二人を失い、再び別荘に集うのだった――。二日間のできごとを綴ることによって愛の力を描き出し、文学史を永遠に塗り替え、女性作家の地歩をも確立したイギリス文学の傑作。(解説・津村記久子)
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