
SHIFT解剖 究極の人的資本経営
飯山辰之介
日経BP / 2025-11-14
この本について
人事に関わっていると、「結局うちの会社って人をどう扱いたいんだろう」とか、「評価や給与って本当に合理的なのか」と、胸の奥にもやっとしたものが溜まっていくことがあります。経営は社員をコストと思っているのでは、という疑念を一度も持ったことがない人のほうが少ないはずです。 この本を読んで驚いたのは、SHIFTがその疑念を“正面から潰しにきている”姿勢でした。450項目を超える個人データを集めるのも、ただの管理ではなく「環境が悪ければ会社の責任」「環境が整っているなら能力をどう引き出すか」という考え方に基づいている。年収をコストではなく先行投資と捉え、まず上げるところから始める発想も、理屈では聞いたことがあっても実際に徹底している会社はほぼ見ません。SHIFTの話を読んでいると、人材戦略ってもっと“手触りがあるものなんだな”と感じます。 もう一つ刺さったのは、仕組み化と人間の判断の両立です。何でも数値化して可視化する一方で、「人のいいところは仕組みでは拾いきれない」と言い切る。ドライとウェットの絶妙なバランスを取り続ける難しさに、現場で悩んできた自分としてはかなり共感しました。経営と社員の責任範囲を丁寧に分け、環境づくりを経営の義務と定義しているところも、個人の頑張りだけに寄せがちな組織にいる人には視界が変わる部分だと思います。 人事や評価制度を「なんとなくの常識」で運用している空気に違和感がある人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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