
インサイト
桶谷 功
実業之日本社 / 2024-09-30
この本について
マーケの仕事をしていると、「事実は集めているのに、ぜんぜん突破口が見えない」という瞬間がありませんか。数字も調査も揃っているのに、なぜか“人の気持ち”に届いていない感じがして、施策がピタッとはまらない。僕もこの壁を何度も味わってきました。 『インサイト』が面白いのは、消費者のホンネや気持ちを深掘りする話が、ふわっとした精神論ではなく、かなり具体的なシーンとして描かれているところです。たとえば、調査の場では本音を言わない高校生が、廊下に出た瞬間に急に盛り上がる場面とか、「おいしいとは思うけど思い入れはない」ハーゲンダッツをどう好きにさせるのかを考えるプロセスとか。こういう“リアルな瞬間”の積み重ねから、気持ちのスイッチを押すポイントが見えてくる。読者が保存している箇所を見ると、まさにその「ホット・ボタンを探す」感覚に惹かれているのだと思います。 この本が効くのは、施策を思いつくこと以上に、「散らばった情報を一つのストーリーとしてつなぎ直す」視点が手に入るところです。冬のスキー場を“ずっとクリスマス”にして復活させた例のように、事実ではなく“人がどう感じるか”を軸にして仮説を組み替える。その結果、商品のコピーの一言や、店頭でのちょっとした想起が売上につながる理由が、腑に落ちるようになるはずです。 自分の企画が「なんか表面的だな」と感じている人や、消費者調査の使い方に迷っている人には、かなり刺さると思います。僕自身、この本を読んでから、数字より先に“気持ちの流れ”を見る癖がつきました。理屈で詰めるだけでは動かなかったものが、ようやく動き出す感覚があります。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの16%が集中しています。
読書の順序
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