
私の嫌いな10の人びと(新潮文庫)
中島 義道
新潮社 / 2006-01-20
累計読者数4
平均ハイライト数 16.8件/人
推定読了時間 約4時間6分
star総合評価 52/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 19%
この本について
日常で「感謝が足りない人と思われたらどうしよう」とか、「みんなが当たり前に大事にしているものを自分はそう思えない」とか、そんな場面で妙な居心地の悪さを感じることってありませんか。私もけっこうあります。周りの“正しさ”に合わせることで、自分の感覚がどんどん薄まっていくような、あの独特の疲れです。 『私の嫌いな10の人びと』は、そんなモヤモヤを無理に肯定も否定もせず、ただ真正面から言語化してくれる本でした。誰もが当然のように従っている「感謝すべき」「けじめを守るべき」といった空気を、著者が一つずつ解体していく。その過程で、「あれ、自分はなんでこれに縛られてたんだっけ」と視界が少しだけ開ける瞬間があります。過剰な“ありがとうの強要”に疲れていたとき、この本の視点にだいぶ救われました。 とくに効いたのは、相手が自己満足で親切をしてくるとき、こちらに湧く違和感を「それは自然だ」と扱ってくれるところです。社会的に“普通”とされる感受性を持てない自分を責めてしまう人ほど、著者の冷静な語り口にほっとするはずです。常識を全否定する本ではなく、「あなたの感じ方も一つの現実ですよ」と示してくれる距離感がちょうどいい。 世間の“良い人らしさ”にうまく馴染めない人に、とても静かに刺さる1冊です。
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