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関ヶ原(下)(新潮文庫)

関ヶ原(下)(新潮文庫)

司馬 遼太郎

PHP研究所 / 2023-04-04

累計読者数6
平均ハイライト数 4.7件/人
推定読了時間 約3時間13分
star総合評価 50/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 51%

この本について

仕事でも私生活でも、判断を迷うときってありますよね。頭では「こうすべきだ」と思いながら、現実がまったくついてこない感じ。理屈は立つのに、場の空気や人の気持ちが読めず、結果として動けなくなるあの感覚です。抜粋を見ていると、まさにその「観念と現実のずれ」に刺さって保存している人が多いように思いました。 『関ヶ原(下)』は戦国の大合戦を描きつつ、実は“状況をどう読むか”“どんな判断が組織を動かすのか”を静かに突きつけてきます。三成が理想に寄りすぎて現実が見えなくなる姿や、逆に家康が「疲れた思案は敵を大きく見せる」として自分の心の揺れを管理する姿が出てきますが、これが妙に今の仕事風景に重なるんですよね。義と不義を名目に掲げても、人は利で動く。利で集まった人は利で散る。その冷徹さを“一面の事実として”見せてくれる。観念論ではなく、どうすれば状況が動くのかに徹している姿は、判断に迷ったときの視界を少し広げてくれます。 もう一つ刺さるのは、主将の動揺が全体に伝わる、という描写。上に立つ人ほど疲れを溜めると判断がブレる、という指摘は、管理職じゃなくてもチームで働いていると実感します。自分の迷いが場にうつること、逆に誰かの迷いに飲まれること。その構造が物語として描かれているので、読んでいるうちに「いま自分はどの立場の人間に近いんだろう」と俯瞰できるのがありがたいところです。 観念だけで突っ走りがちな人、逆に慎重すぎて決断できない人、どちらにも刺さる一冊だと思います。戦国小説として読むだけでも面白いのに、自分の判断のクセまで浮かび上がってくるのがこの作品の怖さであり魅力です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

慶長五年(一六〇〇)九月十五日、天下分け目の戦いとして、後世に知られ、家康率いる東軍が勝利を得た関ヶ原合戦。日本史上、あまりにも有名なこの合戦の経緯や様相は、小説やドラマで何度となく描かれてきた。しかしながら、それらの劇的なストーリーが、実際に真実に基づくものかどうかは、今もって論争が繰り広げられている。文庫化に際し、ここ数年の「関ヶ原合戦」に関わる最新研究もふまえ、アップデートされた本書が、その真相に迫る。豊臣秀吉没後、歴史は大きく動き出す。五大老のひとり、徳川家康は、いかにして天下獲りの道を歩んだのか。西軍を率いた石田三成、西軍総大将になった毛利輝元、上杉景勝と直江兼続……。相対する東軍の家康に従う井伊直政、本多忠勝ら譜代の家臣、そして福島正則、細川忠興、黒田長政……。さらに、真田家、小早川秀秋らは、どう動いたのか。「東西挟撃策」「小山評定」「石田三成訴訟事件」「直江状」……合戦前後の動静を、良質な一次史料を重視し、丹念に見つめ直し、検証することで、見えてきたのは、決戦前日に東西両軍の勝敗は決まっていたということだった——。 ●目次構成 ●プロローグ 徳川幕藩体制の端緒となった「関ヶ原合戦」の論点 ●第一章 豊臣政権の変質 ●第二章 上杉景勝の覚悟 ●第三章 決起した西軍 ●第四章 輝元、吉継、三成の選択 ●第五章 関ヶ原前夜の攻防 ●第六章 決戦関ヶ原 ●第七章 「関ヶ原合戦」の戦後処理 ●エピローグ 徳川家康「関ヶ原体制」の創出 *本書は、2019年9月にPHP研究所から刊行された『関ヶ原合戦は「作り話」だったのか』を改題のうえ、加筆・修正したものです。 【PHP研究所】
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