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流浪の月

流浪の月

凪良 ゆう

東京創元社 / 2019-08-30

累計読者数8
平均ハイライト数 11.5件/人
推定読了時間 約4時間56分
star総合評価 62/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 71%

この本について

最近、人と距離をどう取ればいいのかよくわからなくなることがあります。無理に気持ちを厚くするとしんどいし、薄くすると自分の輪郭がぼやけていく感じがする。そこに「正解」があるわけでもなくて、ただ流されるように日々が進んでいくあの感じ。抜け出したいけど、どうしていいかもわからないまま時間だけ過ぎていく。そんなときに思い出したのが『流浪の月』でした。 この物語が効いてくるのは、派手な救いがあるからではなく、むしろ「人はこんなふうに揺れていていいんだ」と腑に落ちる瞬間があるからです。たとえば、自分がなにに幸せを感じるのかすら曖昧になっていく過程に寄り添ってくれるところ。誰かと一緒にいることは時に安心で、時に苦痛で、それでも「ひとりは怖い」という正直さを否定しないところ。そして、名前のつかない関係や、世間と自分の解釈がずっとずれている感覚を、そのままの形で描いてくれるところ。どれも、無理に前向きにさせようとしてこないのがありがたかったです。 読みながら、自分にも覚えのある弱さや、説明できないつながりの感触が何度も浮かんできました。誰かの善意に救われなかった経験とか、どこにも属せないまま過ごした時間とか、それでも少しずつ「今ここ」に心がスライドしていく瞬間とか。大げさな変化じゃないけれど、こういう小さな実感に寄り添ってくれる物語って、思っているより少ないんですよね。 名前のつけられない感情や関係にモヤモヤしている人、また「ひとりで立てるほど強くない」と感じてしまう人には、とくに刺さると思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

【2020年本屋大賞受賞作】 せっかくの善意を、わたしは捨てていく。 そんなものでは、わたしはかけらも救われない。 愛ではない。けれどそばにいたい。 実力派作家が放つ、息をのむ傑作。 あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。わたしを心配するからこそ、誰もがわたしの話に耳を傾けないだろう。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。再会すべきではなかったかもしれない男女がもう一度出会ったとき、運命は周囲の人を巻き込みながら疾走を始める。新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。
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