
集団浅慮: 「優秀だった男たち」はなぜ道を誤るのか?
古賀 史健
この本について
会議で「本当は違和感があるのに黙ってしまった」とか、「なんでこのメンバーだと途端に判断が浅くなるんだろう」とか、そんな経験がある人は多いと思います。個人としてはまともに考えているつもりなのに、集団に入った瞬間に景色が狭くなるあの感覚。僕自身も会社員時代からずっとモヤモヤしてきました。 この本は、その正体を“集団浅慮”として丁寧に言語化してくれます。“優秀さ”が発揮されないのは能力の問題ではなく、組織の同質性や凝集性が引き起こす構造的な現象なのだとわかると、無駄に自分を責めなくてよくなるし、同時に「どこに罠があるのか」が具体的に見えるようになります。たとえば、会議でリーダーが最初に意見を言うだけで議論が形骸化すること。空気を乱すのが怖くて、批判を自己検閲してしまうこと。そして、“悪意ではなく無邪気な不知”が差別や人権侵害すら引き起こしてしまうこと。どれも日常で心当たりがありすぎて、思わずページを閉じたくなる場面が何度もありました。 ただ、この本は決して誰かを断罪するためのものではなく、「どうすれば集団でまともに考えられるか」という視点に立っています。違いを取り入れること、意見そのものの正しさよりもまず“相手がそう思っている事実”を尊重すること、そして全会一致よりも「水を差せる自由」を残すこと。現場で明日から試せるレベルにまで落ちているのがありがたいところです。 職場の空気に飲まれがちな人、会議になると急に自分の思考が弱くなる気がする人に、とても静かに効いてくる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの16%が集中しています。
読書の順序
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