
水をたくさん飲めば、ボケは寄りつかない (講談社+α新書)
竹内孝仁
講談社 / 2013-06-20
この本について
家族のちょっとした言動に「これって認知症の始まりなのかな…」と不安になること、ありますよね。食後に「ご飯、まだ?」と聞かれたり、物の場所が急にわからなくなったり。こちらも戸惑うけれど、本人の中で何が起きているのかまでは、なかなか想像しきれません。僕自身、親の老いを前にして、どう向き合えばいいのかずっと迷ってきました。 この本は、そうした“わからなさ”に輪郭を与えてくれます。たとえば「記憶」と「認知」は別物で、認知症とは“自己修正ができなくなること”だと説明されます。食後に「まだ?」と聞くのは忘れているのではなく、時間という状況の認識が止まっているだけ。こう聞くと、怒ったり落ち込んだりする前に、どうサポートすればいいかが少し見えてきます。また、水分や運動が認知の働きに直結していて、実際に「水を1500cc飲ませたらトイレの場所がわかるようになった」という具体的なエピソードもあり、ケアの変化が行動としてちゃんと表れるところが希望になります。 認知症ケアというと専門知識が必要に思えますが、この本では「大きな湯飲みに入れて“残すともったいない”と声をかける」「家族も一緒に飲むことで行動が伝染する」といった、日常の延長にある工夫が多く語られます。重たいテーマなのに、どれも家庭で実践できるレベルなのがありがたいところです。 身近な人の“変化”に戸惑っている人、何から手をつければいいのか分からない人に、静かに効いてくる一冊だと思います。
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