
人を生かす 稲盛和夫の経営塾 (日本経済新聞出版)
稲盛和夫
日経BP / 2012-02-01
この本について
マネジメントの本を読むたびに、「結局、現場は動かないままだな」とか「自分だけ空回りしている気がする」と感じること、ありませんか。任せたいのに任せきれない、理念を語りたいのにうまく浸透しない。頭ではわかっていても、現実では人も数字も思うように動かない。そのモヤモヤにけっこう長いあいだつき合ってきたので、読者の方が保存していた抜粋を見たとき、刺さるポイントがすごくよくわかりました。 この本が効くのは、きれいな理想論ではなく、「リーダーとして日々どこに立ち戻るのか」を地に足をつけて語ってくれるところです。例えば、幹部を“自分の考えを伝えられる存在”として育てるという一文は、結局のところ組織の強さは現場の理解度に比例するという現実をついてきます。また、採算を現場まで降ろすという考え方は、責任を渡す怖さを直視しつつ、それでも任せない限り人は育たないという葛藤を整理してくれる。さらに、トップ自身の器以上に会社は大きくならないという指摘は、つい外部要因のせいにしがちなときに、静かに足元へ意識を戻してくれます。 リーダー像を押しつけるのではなく、「自分の心が揺れるのは当たり前。そのうえで、どこに戻るか」という姿勢を教えてくれる本です。小さな組織を背負っている人、部下を前にすると急に自信が揺らぐ人、そんな方には特に刺さると思います。忙しさに飲まれて視界が曇る日でも、読み返すと立ち位置を再調整できる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの90%が集中しています。
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