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盲目的な恋と友情(新潮文庫)

盲目的な恋と友情(新潮文庫)

辻村深月

新潮社 / 2014-05-22

累計読者数7
平均ハイライト数 2.7件/人
推定読了時間 約3時間16分
star総合評価 44/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 36%

この本について

人間関係って、どこまでいっても「線引き」が難しいなと思います。恋愛の熱に浮かされて自分を見失う瞬間もあるし、長く続く友情のほうが大事なはずなのに、どこか扱いが軽くなってしまう場面もある。自分でも説明のつかない感情に巻き込まれたとき、何を基準に判断すればいいのか困ること、ありませんか。 『盲目的な恋と友情』は、そんな混乱をきれいに整理してくれる本ではありません。ただ、「ああ、気持ちが暴走するとこうなるのか」という具体的な体温を、そのまま突きつけてきます。恋が特別に見えすぎて世界が反転していく感覚や、友情が過小評価されがちな痛み、甘い思い出に依存して抜け出せなくなる心の鈍いしびれ。抜粋されている部分を見るだけでも、読者が“自分でも言葉にできなかったモヤモヤ”に反応しているのがよくわかります。 個人的には、恋愛と友情の重さが揺れ動く描写がいちばん効きました。恋が全能のように思えたあの頃と、穏やかに人と並べる今。その落差が、過去の自分を振り返るヒントになる。もうひとつは、依存に近い感情の正体が丁寧に描かれているところで、自分の中にも似た成分があったことを認めざるを得なくなる瞬間があります。きれいごとでは片づけない関係の重さが、妙にリアルなんですよね。 「恋と友情の境目でいつも迷ってしまう人」に刺さると思います。読んで安心するタイプの物語ではないですが、自分の心の“変な形”に向き合うきっかけには、確実になる一冊でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

一人の美しい大学生の女と、その恋人の指揮者の男。そして彼女の醜い女友達。彼らは親密になるほどに、肥大した自意識に縛られ、嫉妬に狂わされていく。そう、女の美醜は女が決めるから――。恋に堕ちる愚かさと、恋から拒絶される屈辱感を、息苦しいまでに突きつける。醜さゆえ、美しさゆえの劣等感をあぶり出した、鬼気迫る書下し長編。
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