
愛着障害と複雑性PTSD 生きづらさと心の傷をのりこえる (SB新書)
岡田 尊司
SBクリエイティブ / 2024-09-07
この本について
人間関係のことでつまずくとき、自分の性格の問題なのか、それとももっと根っこにある仕組みのせいなのか、判断がつかなくなることがあります。相手を信じたいのに距離を取ってしまったり、安心したいのに不安のほうが勝ってしまったり。頭ではわかっているのに、体が勝手に反応するような感覚です。 この本は、そういう「なぜそうなるのか」の背景を、愛着というしくみから丁寧にほどいてくれます。読者が保存していた部分にもあるように、愛着は心理ではなく生理的な土台で、ここが揺らぐと、世界の見え方そのものが変わってしまう。だからこそ、人からの否定や支配が続くと、自分に対する評価まで書き換わってしまうし、トラウマが起きたときに回復が難しくなる。その仕組みを知るだけでも「自分が弱いからじゃない」と腑に落ちる瞬間がありました。 さらに、この本がいいのは、複雑性PTSDや愛着トラウマを決して特別な人の話として扱わないところです。見た目には恵まれた家庭でも起きるし、大人になってからの人間関係でも再現される。そのうえで、感情を味わい直すことや、感覚に戻ることが少しずつ安全感を取り戻す助けになる、と現実的な距離感で語られています。大きく人生を変えるとかではなく、今日の自分が少し楽になるための視点を渡してくれる本です。 人との距離感にずっと違和感を抱えてきた人、理由のわからない生きづらさを説明できずにきた人には、とくに静かに刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
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